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NPO法人加治丘陵山林管理グループのブログです。

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クロヒカゲ

クロヒカゲ

 クロヒカゲは、北海道から九州まで、日本全土に分布するチョウで、ササの繁茂した山林で多く見ることが出来ます。日中はササ薮や広葉樹の葉上に静止し、その近くを敏速に飛び回ります。食餌は、クリなどの花の他、クヌギ、コナラ、ミズナラなどの樹液、また、腐熟果、獣糞などです。  この写真は、9月中旬の蒸し暑い日、山仕事の休憩時間に撮りました。最初、汗で湿気たズボンの上から吸水をしていましたが、ズボンから人差し指で掬い取り、放そうとすると、そのまま指に留まり、汗を吸い始めました。チョウの吸水行動は、主としてオスの行動で、汗は、それに含まれる塩化ナトリウムを吸収するため、と言われています。 塩化ナトリウムは、雄の交尾行動を活発にする他、交尾後、雌の体内に注入する精包の重量、有核の精子数にも大きな影響を与えていることが近年の研究から分かってきています。 ... 【続きはコチラから】

ノウタケ

ノウタケ

 加治丘陵は、東西に長く広がっていますが、八高線の西側にはNPOの活動では余り行く機会はありません。6月の初旬、入間市の西端、木蓮寺の瑞泉院から阿須丘陵七国コースを唐沢川沿いにこのコースの起点となる阿須に向け歩きました。唐沢川までは普通の山道でしたが、川沿いの道になると林道として車が通行できるように整備され、伐採作業を行っている現場もありました。飯能市では、まだ林業が生業として行われていることが分かります。  帰路は、コース番号2から順に都県境に向けてダラダラと登りが続く道でした。途中、道の真ん中に横30cm程の楕円形、薄茶色の物体がありました。表面には皺が刻まれ、一部表面が剥がれ、白い中身が見えていました。棒で突いてみると柔らかく、スマホのアプリで調べるとノウタケでした。しかも、脳を連想させるこのキノコ、吃驚することに中身が白いときは汁物の具などとして食べられるとのことでした。  木蓮寺の西側の丘陵は入間市だけではなく飯能市と青梅市にも広がっています。その呼称も飯能市では阿須丘陵、青梅市では、霞丘陵と呼ばれており、それだけこの丘陵は昔から地域の人々の生活に密着していたことが偲ばれます。 ... 【続きはコチラから】

ウバタマムシ

ウバタマムシ

 午前中の下草刈りが早めに終わったので、花見の丘に行ってみました。6月初旬ですが、蒸し暑く、木陰の切り株に腰掛け、食事をしていると下から吹き上げてくる風が心地よく感じられました。遠くに広がる一面の茶畑を眺めていると、視界に右から左に翔ぶ昆虫の姿が入り、左手の林縁に着地しました。見ていると降り立った辺りの草が揺れ続けているので、興味を惹かれ見に行きました。  草陰に隠れるようにジッとしていたのは、3~4cm位の始めて見る大型の甲虫で、調べるとウバタマムシでした。身近なタマムシの派手な外貌はなく、むしろ地味、タマムシも姥になるとこんな感じになるのか、と思わせるほどでした。このウバタマムシ、幼虫は、松の幹を穿孔して成長するので松材の害虫として知られていますが、近年、赤松林の減少に伴い、生息数も減っています。このため環境省(2015年)、埼玉県(2018年)は、これを準絶滅危惧2型に指定しています。 ... 【続きはコチラから】

ムラサキツバメ

ムラサキツバメ

 1月下旬、風もなく、冬の日差しが暖かく感じられる日でした。蓬沢の南斜面での作業の休憩時間、目の前のアオキの葉にムラサキツバメの雌が止まり、直ぐに翅を拡げて日光浴を始めました。 この時期、チョウとの出会いは珍しいのですが、この日は、その他、ムラサキシジミ、クロコノマチョウ、キタキチョウを見かけました。  ムラサキツバメは、以前は近畿地方以西に生息していましたが、温暖化の影響で1990年代頃から徐々に東海、関東地方に進出し、今はそのほぼ全域にまで生息域が拡がりました。チョウの越冬の形態は卵、幼虫、蛹、成虫とありますが、このムラサキツバメは成虫で冬を越します。また、その越冬の仕方も独特で、日中、日差しがあり暖かい日には日向に出てきますが、それ以外の時はマテバシイ、アオキ、ヤツデなどの常緑広葉樹の雨風を凌げる葉表に雄雌が入り混じり、数頭から数十頭が集団で越冬します。 ... 【続きはコチラから】