ハンショウズル

ハンショウズル

 快晴の5月の一日、北コース道端の草むらに赤紫色をした下向きに咲く数輪の花を見つけました。形は、その名の通り火の見櫓の半鐘のようで、その色と形がとても印象的でした。この植物は、ツル状でテッセンに似ています。葉は、対生で3枚で一組です。 本州、九州と広く分布しているようですが、絶滅危惧種に指定した県もあります。加治丘陵でも大事にしたい植物の一つです。 ... 【続きはコチラから】

ミヤマセセリ

ミヤマセセリ

 3月下旬、春の訪れを知らせるミヤマセセリを見つけました。  ミヤマセセリは、木漏れ日が林床に届くコナラ、クヌギなどの雑木林を好んで飛翔します。セセリチョウ科のことを英語でskipperと言いますが、まさに地表近くをスキップするような独特の飛び方で、落葉、石などに翅を横に拡げて休止します。 食草はコナラ、クヌギなど、吸蜜はスミレ、レンゲ、タンポポなどです。幼虫で越冬し、早春に蛹化、羽化します。 ... 【続きはコチラから】

ゴイシシジミ

ゴイシシジミ

 7月の蒸し暑い日、さとやま管理事務所横、林床の笹薮に飛翔する翅裏が白地に黒い斑点のゴイシシジミを見つけました。  日本に生息する7種類の肉食性のチョウの一種です。この全てが小型のシジミチョウ科に属すること、また、何故、肉食に進化したのかも不思議です。7種の中、5種類はアリ、アブラムシの他、ブナ、クヌギ、ワレモコウ等の植物も食物とするが、ゴイシシジミは竹の葉に寄生するアブラムシとその分泌液だけを食餌とする純粋の肉食性チョウです。 ... 【続きはコチラから】

ルリタテハ

ルリタテハ

 3月末、「ふれあいの森」での作業をしていると、素早い動きの黒っぽいチョウが5mほど先の枯葉の上に止まりました。近づくと陽だまりで翅を閉じじっとしていましたが、その内、翅をゆっくり拡げると青色の帯が見えルリタテハの雄であることが分かりました。  この時期のルリタテハは越年した成虫で冬の間は岩の下などで過ごし、早春より5月頃まで生存します。個体発生は通常、年3回あり、飛翔は敏捷、オス同士の追飛、占有の習性も見られます。 食草はユリ、ホトトギス、サルトリイバラなどで森林、雑木林、林縁などに多く生息しますが、近年、ホトトギスの家庭での栽培とともに平地でも見られるようになっています。 ... 【続きはコチラから】

カトウツケオグモ

 7月の蒸し暑い日、緑のトラスト保全第6号地での木道整備作業の休憩時間でした。飛んできたクロヒカゲがアオキの葉に止まりました。写真を撮ろうと近づいた瞬間、葉陰から前脚の白いクモががっちりと前脚でクロヒカゲの頭部を押さえ込みました。  白い前脚が珍しく調べてみるとカトウツケオグモでした。カニグモ科ツケオグモ属のクモで環境庁の各県レッドデータの愛知県では希産種として絶滅危惧ⅠB類に指定されている他、複数県でも情報不足とされています。  この科のクモは網を張らず、待ち伏せで獲物を捕らえます。4対の脚は3対が前方を、1対が後方を向いています。前3対の中の前2対が白く、長く、大きく、これで獲物を捕らえます。  加治丘陵には珍しいクモも生息していることが分かりました。 ... 【続きはコチラから】

タシロラン

タシロラン

 7月、雨上がりの蒸し暑い日でした。雑木林での下草刈りの作業を終えた帰りがけ、堆積した落葉からにスーッと伸びた薄茶色幹に直接花弁を付けた見慣れない花が数本咲いているのを見つけました。  入間市役所の植物の専門家の方に写真を見ていただくとタシロランであることが分かりました。タシロランは準絶滅危惧種に指定されている珍しい植物で、普通の植物と違い菌類と共生して栄養分を吸収する腐生植物に分類されています。  加治丘陵はこのような貴重な植物が生育する環境が保たれています。 ... 【続きはコチラから】

ツマグロヒョウモン

ツマグロヒョウモン♀

 9月中旬、「花見の丘」で翅を休めるツマグロヒョウモンの雌です。最近では、温暖化の影響で入間市周辺でも普通に見掛けることが出来るようになった一種です。  成虫の雌雄の差異は大きく、雄の表翅の模様は他のヒョウモンチョウ類と似ていますが、雌は、前表翅に特徴的な斜めの白斑があります。また、同属他種が全て年一回の発生ですが、本種は気候条件にもよりますが、年4~5回発生することがあります。食草はスミレ類ですが、パンジー、ビオラなどの園芸植物種も好みます。 ... 【続きはコチラから】

ウスバシロチョウ

 「山仕事の広場」の北側の斜面に沿って、ニセアカシア(和名 ハリエンジュ)の木が数本あり、5月の中旬になると房状の白い花を付けます。  「山仕事の広場」での下草刈りの日、ニセアカシアを見上げるとひらひらと特徴のある飛び方の10頭近いウスバシロチョウが、飛び交っていました。休憩時間、水道栓付近の地面で羽を拡げ吸水しているのを見つけました。 ウスバシロチョウはその風貌から古武士を思わせますが、蝶の中でも古くから存在しており、「生きた化石」とも言われています。食草はムラサキケマン、スミレ草などです。 ... 【続きはコチラから】

テングチョウ

2020年2月 テングチョウ

 2月の寒い日、花見の丘で伐採木の整理作業をしていました。休憩時間、日差しの中をテングチョウが飛んでいるのを見つけました。やがてそれは杭作りの切りくずに止まり、羽を広げ暖を取り、しばらくすると、ヒノキの高いところの枝に舞い戻りました。  テングチョウは天狗の鼻のように口吻がとがっているところからその名があり、その祖先は化石で発見されるほど古い時代から生息する蝶の一種です。この時期、本来は越冬中ですが、暖かい日には休眠より覚め飛翔するのを見かけます。 ... 【続きはコチラから】

カンアオイ

カンアオイ

 2月初旬、寒さが厳しい一日だった。活動は北コースに沿った斜面の下草刈り。冬枯れの山での彩は笹、アオキ、サカキ、シラカシなど数少ない。そんな中、桜の古木に寄り添うようにシクラメンの葉に似たハート形の濃いグリーンのカンアオイを数株見つけた。  カンアオイは埼玉県の準絶滅危惧種にも分類されている貴重な植物だ。  葉をそっと寄せてみると三角形の花弁が三つあった。こんな出会いも冬の活動の楽しみの一つだ。 ... 【続きはコチラから】